羽田町「千世」のタコ料理

   

院長の父親である大先生・浜野文夫が約30年にわたって全国各地の「味の旅」13巻のアーカイブ集です。

横浜駅から京浜急行の羽田行きの列車に乗り、穴守稲荷駅で下車すると、そこは羽田町です。駅から歩いて5分の所に「千世」という店があります。先日、久しぶりに娘と孫を誘って行ってきました。

現在の羽田空港「東京国際空港」は、拡張・移転する以前は、穴守稲荷近くの羽田町にありました。当時、羽田空港駅は現在の「天空橋駅」で、最初は「東京飛行場」としてその歴史をスタートさせました。航空機の騒音が社会問題になり、それに対応して施設を大規模に沖合へと拡張されたのが、現在の羽田空港の成り立ちです。

以前の羽田町は漁師町で、地元の人を相手にした寂れた商店街でした。こんなところに、意外にも「江戸前料理」にこだわる頑固な人たちがいました。その一人が「千世」の主人、田牧博信さんです。かつて「タコ釣りの名人」と言われ、テレビでも紹介された有名人です。料理人というより漁師の日焼けした顔が印象的です。

久しぶりにお会いしたら、83歳になり、以前ほど「タコ釣り」ができなくなったとおっしゃっていました。この店は、もともと炉端焼きの店でした。この店を知ったのは50年も前のことで、今は亡き小島哲君と訪ねたことが始まりで、以前は頻繁に通った店です。友だちや息子にも紹介しました。

羽田町は多摩川の河口にあり、プランクトンが豊富にあります。近年、川が清浄になったこともあって、ハゼ、アジ、アナゴ、コチ、シャコなどが多く獲れるようになりました。何よりも、タコが豊富に獲れるのは、羽田空港C滑走路の沖合で、「飛行機が離陸していくのを見ながら釣りをしたものだったが、今はほとんど釣りに行かない」と話していました。

その日にタコがあるか分からないので、前もってぜひタコを用意してくれるようお願いしておきましたが、「生きタコ」はなく、①「焼きタコ刺し」が出されました。これはこれで、タコの味がしっかりして美味しくいただきました。

一番美味しかったのは②「アジ刺し」と「アジなめろう」でした。釣ったばかりの鮮度抜群でした。③「ハゼ天ぷら」、④「コチ刺し身」もこの店ならではの美味しさでした。⑥「生くじら刺し」は、孫が特別に注文しました。

最後に注文した⑦「タコの釜飯」は、ほどよくこんがりして、3人でちょうどよい量でした。

このように、娘と孫のひとりと一緒に、居酒屋に行って酒を酌み交わすのは、念願の夢でした。一般的に「酒飲みの親は、我が息子と一緒に酒を酌み交わすことを最上の夢」と思っているものです。「酒飲みには酒飲みの哲学がある」。

(令和6年7月)



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