ヨーロッパ歯周病学会-Europerio11報告 第3報  付:ウイーン ハプスブルグ家の都…

   

オーストリア・ウイーンで開催したヨーロッパ歯周病学会-Europerio11 の報告・第3弾。
前回報告の①Euro学会の深さ②混沌とした病因論・・に続く最終章は、③外科セッションの人気は高い④世界展開の予防戦略の重要性、そしてまとめの⑤AIの活用により歯周病の診断・患者管理・予防・治療の進歩です。

 

③外科セッションの人気は高い

医療のニーズは病気を治す=治療であることは周知の事実であり、歯周病の世界も外科手術による治療が、最も世間的にニーズが高いことは間違いありません。
今回の会場=ウイーン・メッセはパシフィコ横浜のような大型イベント会場で、その中でも2000人くらいは入っているのではないかという一番大きいホールが満員のギャラリーの中で、歯周病の再生医療の治療内容を何台もある巨大なスクリーンで発表が多くありました。

自分は他のセッションに興味があったので、外科の発表をじっくりとみることはなかったので、内容を十分に把握していませんでしたが、所属する勉強会のメンバーも多く参加しており、患者さん・臨床家とも歯周治療の醍醐味を最も感じるセッションではないかと感じ入りました。

 

④世界展開の予防戦略の重要性

EuroPerioは世界的な歯周病の学会なので、歯科疾患の予防展開を診療室=患者さん個人だけでなく、広く世界に展開する予防のセッションも設けられていました。
世界的な歯磨剤の会社・コルゲート社がスポンサーで、世界の口腔衛生と根本原因・社会的・商業的決定要因・行動に取り組むための政策の必要性に焦点を当て、費用対効果の高い予防と管理戦略という内容です。

世界人口約80億人のうち、カリエス(むし歯)は25億人・歯周病10億人、そして世界の歯科医の80%は高・中所得国、低所得国の歯科医は1.5%といわれるとのことです。
この口腔疾患の格差の医療費と生産性に及ぼす世界的な経済的影響と、健康の公平性を促進・持続可能な開発を支援する上での政府と民間部門による口腔保健政策とその主導権の影響を示していました。
日本の学会ではあまり聞くことができない世界展開の予防戦略の重要性とともに、恵まれた日本社会の在り方と問題点も改めて認識しました。

 

⑤今回の学会のまとめ

AIの活用による歯周病の診断・患者管理・予防・治療の進歩を強く感じました。
世間の一歩先を行く学会なので、AIを駆使した技術を応用した臨床構築内容がいち早く披露されていたことが最も印象的に感じました。
現実の臨床ではまだAIの普及が十分には整っていないものの、今後は加速度的なスピードでAIを活用した臨床展開の可能性を感じる今回の学会でした。

次回のEuroPerio12は2028年にドイツ・ミュンヘンで開催とのことです。
ビールとソーセージも楽しみな3年後の学会ではどのような歯周病の世界が見られるのか、楽しみです。

 

追記:学会報告余話part3 ウイーン ハプスブルグ家の都…

ウイーンにて4泊しましたが、学会参加が目的なので、学会開催時間の合間の明け方の5時から夜の10時までウイーン市内を歩きました。
音楽の都として名高いですが、ヨーロッパの名家=ハプスブルグ家の古くからの都としての大きさと気品さを感じたものです。

どこの風景も思い出がありますが、プラハでもウイーンでも街中に「ペスト慰霊塔」があることは、ヨーロッパの歴史の中でも深く胸に刻まれているのだなと、Covit19あけのパンデミック明け、そして感染症でもある歯周病学会参加とも合って印象深く感じたものでした。
学会3日目の朝6時半から学会主催の5㌔ランのイベントに参加したこともいい思い出になりました。

 



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