そうだ高知に行こう カツオを求めて一人旅

   

院長の父親である大先生・浜野文夫が約30年にわたって全国各地の「味の旅」13巻のアーカイブ集です。

「土佐の高知のはりまや橋」は、高知の名所である。その近くに『司本店』がある。一昨年この店を訪ね、①カツオ塩たたき、②カツオ皮付き刺し身、③カツオたたきポン酢など、土佐でなくては味わえないカツオ料理が忘れられないでいた。そこで、再び「そうだ高知に行こう」と思い立った。

「カツオを求めての一人旅」である。

 

 十月後半、羽田空港から、高知龍馬空港に向かう。バスで高知市内の「高知ホテル」に着き、タクシーを呼んで、土佐料理の店『司本店』を目指した。

 やはり真っ先の注文は①カツオの刺身である。すべて皮付きで輝いていた。同時に②カツオ塩たたきを注文する。塩を振って食べるから「塩たたき」というらしい。共に新鮮で土佐まで来て食べる価値があり、やはり、ここまで来てよかったと思った。

このカツオは、一本釣りで今朝揚がったものだという。身が締まって、身崩れしない。

 次に③チャンバラ貝を注文。貝の身が刀に似ていることから名づけられたという。関東ではお目にかからない珍しい貝である。だが、少しも旨くないので、半分残した。

 ④ちちこ(カツオの心臓)は甘辛く煮てある珍味だが、豚レバーのような味がした。この「ちちこ」も余計なもので半分残す。

それでも、この店で本場のカツオを堪能。

翌日、昨年NHKが放映した連続テレビ小説「らんまん」のモデル牧野富太郎博士の業績を顕彰して開園した『牧野植物園』は広大な面積である。その一部を見学した。

 昼食は『漁(りょう)ま(ま)』という活魚料理の店で、

①カツオ皮付き刺し身と②伊勢えび一匹まるごと造りを注文。うまいけど高価だった。

 

 次は『龍馬の生まれたまち記念館』を見学してから空港に向かう。

 土佐まできた目的はカツオである。最後までカツオにこだわって『司空港店』に入り、カツオ刺し身を食べ、土佐を後にした。

こうして、「カツオを食べる一人旅」が終わりとなって、思い残すことはなかった。

 カツオの食べ方は、生のカツオをニンニクのすりおろしを薬味として、つけて食べるのが一般的だが、土佐では、ニンニクが全てスライスしてある。更に豆苗、玉ネギ、細ネギを細かく刻んだものに、小トマトが輪切りにして添えてある。それらを挟んでカツオに齧りつく。これぞ至福の時である。

 最近、『藁たたき屋』なる店ができてきた。先日、横浜の『藁たたき屋』に行ってみた。

 「カツオたたき」は、摘まんだだけで、崩れるほど身が古い。がっかりする味だ。

こんな店は横浜の恥である。カツオは、やはり土佐に限る。

           (令和五年十月)

 

横浜『登良屋』のカツオ

   煮魚、天ぷらもお勧めの店

カツオへの「こだわり」は、横浜に帰ってからも続いた。スポーツクラブの友人を誘って、馴染みの店『登良屋』を訪ねた。

目的は「カツオ刺し身」である。この店のカツオの旨さは以前から認めていた。

今、この店の客は全て予約済みの人たちである。店が忙しいので刺し身も予約で、店長お任せの盛り合わせである。カツオだけを単品で注文することは出来なかった。

①カツオ、②天然ブリ、③イカ、④ヒラメ、

⑤イナダなどが、大皿に盛り付けてある。

この日のカツオは、土佐のカツオに劣らないほど美味しかったが、皮付きではない。

カツオの食べ方は、ショウガおろしと醤油に付けて食べる一般的なもので、ニンニクのスライスは付いてこない。

カツオの切り身は、分厚く、斜めに切ってあり、普通の刺し身の倍以上の大きさである。カツオの以外のブリ、イカ、ヒラメ、カンパチなど刺し身も一級品の味だった。

また店の自慢は「刺し身のツマ()」だ。職人は手が空くと、厨房で大根を外側から薄く包丁で剥き、それを細かく刻んでツマにする。そのツマの上に厚切れのカツオが乗っている。この厚切れが実にうまい。

煮魚については、一匹まるごと客に見せ、

「これでよろしいですか」と言って厨房に持ち帰る。我々は「キンキ」と「カサゴ」を注文した。この煮魚の味が絶品である。

 天ぷらは、「エビ天プラ」が特に旨い。

 酒は「白鹿」一品で、ぬる燗を10本も空にするほど、友人2人は酒豪である。

 話題は、世界情勢、国政についての評論などで、その知識に驚き、聞き役に徹した。

 学歴も、職業も、性格も違う人たちである。話を聞くと、自分にはない「違う世界」を知ることによって、自分がより高まる。

          (令和五年十一月)



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