ヨーロッパ歯周病学会-Europerio11報告 第2報 付:プラハ=夢のような街並み…

先日オーストリア・ウィーンで開催されたヨーロッパ歯周病学会 (Europerio11) について、今回は以下の2点に焦点を当ててご報告します。
① Europerioの学問的深さ

世界の歯周病学会は、大きくアメリカ歯周病学会とヨーロッパ歯周病学会の2つに分けられます。私は2012年にロサンゼルスで開催されたアメリカ歯周病学会にも参加しました。私見ではありますが、アメリカの学会は臨床医の参加が多く、最新の手術症例を中心とした臨床サイドの発表が主体である印象を受けました。
一方、ヨーロッパ歯周病学会には大学の研究者も多く参加しており、基礎医学から一般歯周病学、さらに最新のトピックまで幅広く網羅されています。歯周病を多角的に捉え、包括的にアプローチする学会の姿勢に、学問としての深さを感じました。
② 混沌とした歯周病の病因論

2000年代には「Red complex」と呼ばれる特定の病原性の高い細菌群を排除すれば良いという考え方が主流でした。しかし、2010年代に入ってからは、キーストーン病原体によって常在細菌叢のバランスが崩れる(ディスバイオシス)ことで歯周病が発生するという考えが浸透してきています。
今回の学会では、最新の科学技術によって、その詳細がさらに解明されつつある現状が示されました。とはいえ、「どういう状態で患者さんの細菌叢はバランスが悪くなるのか?」「バランスを悪くするキーストーン細菌をどう抑えればいいのか?」といった臨床からの素朴な疑問は、まだ解決されていないと感じました。新たな技術による新しい知見が蓄積されることで、かえって「なぜ歯周病が起こるのか」という病因論の命題は、より混沌としているように思えます。
今回の学会のキャラクター(添付写真参照とのこと)のように、「頑張ってブラッシングしましょう」という歯周病治療・予防のゴールドスタンダードは変わらないのだと、改めて実感した次第です。
学会報告 余話:夢のような街プラハ

学会開催前に先乗りしたプラハでは、まさに「夢のような街並み」を堪能しました。到着翌日は朝4時前から夜9時過ぎまで、約43,000歩も街中を歩き回りました。中世の宝石箱、世界で最も美しい都市、世界で唯一の全市が世界遺産と称される通り、時間と空間を超えた体験でした。
朝5時の人影のない旧市街広場やカレル橋、プラハ城近くの丘にあるストラホフ修道院から望む赤いレンガの街並み、静寂な夜のユダヤ人街など、どこも心に残る風景でした。宿泊したティーン教会通り沿いのホテルは600年前の建物だそうで、まさに歴史の中を彷徨っているような一日でした。
チェコはピルゼンビール発祥の地でもあります。当院のブログを執筆していただいているビアテイスター1級の安彦教授に勧められたボヘミアンビール「ウルケル」を、チェコの定番料理「牛肉のグラーシュ」(シチュー)とともに堪能し、最高のひとときを過ごしました!
次回は、学会のまとめについてご報告させていただきます。
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